北京首都航空による杭州-静岡線が7月10 日から復便する。円安を背景に海外から日本への観光需要が高まる中、戻りが遅いと言われてきた「中国の訪日客数」の回復が顕著になってきたため、そのポイントを紹介する。
海外からの訪日外客数は、2023 年10 月から対2019 年を上回る状況が続いている。中国からの訪日客数は回復が遅れていたものの、2024 年4月には対2019 年比で7割を超え、右肩上がりの回復が続いている。
一方、日中間の航空便数は、対2019 年比6割超で回復途上である。内訳を見ると、「上海線はコロナ禍前と同程度まで回復した」が、「西安・武漢線など内陸部の戻りが鈍い」ため、現在は「日中間の航空便の半数を上海便が占める状態」となっている。中国からの訪日客数の増加につれて、この増便の流れは、地方へと波及するとみられる。
今回の杭州線の復便に伴い、県上海事務所が浙江省の旅行社にヒアリングしたところ、「北京首都航空の杭州-大阪線と組み合わせた回遊型の商品を造成したい」などの前向きな声が寄せられる一方、「日本旅行の需要は底堅いが、ホテル・バス代金の値上がりが顕著で、コロナ禍前と同程度のツアーでも割高感が出てしまう」との声も聞かれた。
中国現地では、杭州市内での観光プロモーションや、浙江省・本県企業のビジネスマッチング等を通じて、復便の効果が県内に広く波及するよう取り組みを進めていく。