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「新エネルギー車」の販売が「内燃エンジン車」を上回った中国の自動車販売(2024年5月号)

 中国メディア(中央広播電視台:4月21 日)によれば、中国の4月前半の乗用車販売台数は、新エネルギー車(EV:電気自動車やPHV:プラグインハイブリッド車。以下、新エネ車)が、内燃エンジン車(ガソリン車やディーゼル車)を初めて上回った。
 中国自動車工業協会が発表した4月1~14 日の乗用車販売台数は、前年同期比11%減の51.6 万台だったが、新エネ車は前年同期比32%増の26 万台と大きな伸びを見せ、市場シェアは初めて半数を超えることとなった。中国政府は、2035 年の国内新車市場における新エネ車の販売シェアを5割以上とする目標を掲げているが、新エネ車の販売シェアは2021 年に
14%、23 年に33%に達し、当初目標から10 年以上も前倒しで新エネ車への転換が進んでいる状況だ。
 ただ一方で、足元では鈍化が見られる中国の新車販売需要を喚起するため、業界大手の比亜迪(BYD)など中国の新エネ車メーカーが価格競争に持ち込まざるを得ないという事情もある。既に値引きの余地が少ない低価格の内燃エンジン車に対して、新エネ車メーカーは同等以下の価格帯のモデルを相次いで発売しており、この傾向が続けば、今年中には新エネ車のシェアは更に高まっていくだろう。こうした状況は今後も続くと見られ、中国における海外自動車メーカーの内燃エンジン車の販売は苦戦が続くことが予想される。

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