5月のゴールデン・ウィークでは、円安のため日本からのハワイなど欧米への海外旅行を控える動きが報じられたが、中国では新年度で新たに派遣された日本人駐在員やその家族が続々と中国に到着し、新生活をスタートさせている。
コロナ禍で在住者が減少しつつも、約10 万人の日本人が暮らす中国。上海市内には2つの日本人学校(虹橋校、浦東校)があり、小学部では2校あわせて各学年約10 クラスの児童が在籍するなど、多くの日本人家族が現地で生活している。上海市内では、無印良品、ニトリ、ユニクロ、ダイソーなど多くの日系企業が事業を展開し、日本品質の生活用品が手に入るほか、高島屋、アピタなどの百貨店やスーパーもあり、この時期は、日本人の家族連れが生活を整えようと大量の生活雑貨を買い込む姿が見られる。
日本円の対中国元レートは直近5年間で1.4倍(2019年8月末16.77円→2024年3月末21.13円)と円安に振れているが、現地の消費者物価指数は10 年間で約16%の上昇(推計値:国際通貨基金)と緩やかである。現地では外国製品は総じて割高であるため、いかに早く現地の生活に馴染むかが生活を安定させるコツといえる。ビザ取得の負担等から日本人の足が遠のく中国だが、本県を含む地方路線の復便・増便も順調に進んでいることから、今後、更なる人的往来の回復に期待したい。
<静岡県内と上海市内の価格比較(日本、中国元)>
ビッグマック(480 円、25 元≒528 円)、スターバックスコーヒー(380 円、27 元≒571 円)、タクシー初乗り(660 円、16 元≒338 円)、ダイソー(110 円~、10 元≒211 円~)、肉まん(160 円、3元=63 円)、麺類(800 円~、20 元≒422 円~)