中国金融当局は9月26 日、不動産不況の長期化等による景気減速が続く中、経済成長率5%の目標達成に向けて、大規模な景気刺激策を講じると発表した。この動きと連動して上海市では、財政出動で家計消費を刺激しようと9月28 日から5億元(約100 億円)の電子クーポン「楽品上海」の発行をスタートさせた。
5億元の内訳は、食事3億6,000 万元(約72 億円)、ホテル宿泊9,000 万元(約18 億円)、映画鑑賞3,000 万元(約6億円)、スポーツ施設利用2,000 万元(約4億円)で、複数回に分けて配布される。食事クーポンの額面は、50 元(300 元の消費で1枚使用可)、100 元(同500元)、200 元(同800 元)、300 元(同1,000 元)の4種類。携帯電話の位置情報が上海市内であれば旅行者や外国人も申し込める手軽さもあり、9月28 日の午前10 時からの初回配布は、数分で予定配布数を終了する人気ぶりであった。
国内消費が冷え込む中国では、間もなく国内最大のオンライン商戦である11 月11 日の「双11(ダブルイレブン)」を迎える。2009 年にアリババがスタートしたイベントは「中国版ブラック・フライデー」と呼ばれるまでに成長し、中国全土で10 月中旬から様々なキャンペーンが繰り広げられる。景況感が悪化したと言われる現在、いかに国内の消費マインドを上向かせるかが課題となっている。