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春節で14億人の大移動がスタート!上海市内も祝祭感に包まれる(2025年2月号)

 中国では、1 月28 日から春節(旧正月)の大型休暇が始まった。今年の春節は8連休で、前後の土日と有給休暇を繋げれば最大13 連休となることから、国内で交通機関の特別運行が行われる春運(1月14 日~2月22 日)の期間に、延べ90 億人が移動する見通しだ。
 中国のオンライン旅行社最大手の携程(C-trip)によれば、春節の海外航空券販売は、日本、タイ、マレーシア、韓国、シンガポール等が好調だという。オンラインで団体旅行を販売する同程旅行は、日本旅行の目的地が東京-大阪のゴールデンルートから地方に戻りつつあるとし、札幌、静岡、福岡の商品販売が好調と紹介している。
 例年、こうした「大移動」が注目される春節だが、上海の地元っ子や駐在員など「居残組」の年越しの様子にも触れてみたい。旧正月の大晦日(1 月28 日)は、日本の紅白歌合戦にあたる『春節聯歓晩会』を見ながら家族や友人と食卓を囲む。年越しの人気番組は20 時からスタートし、北京の主会場、重慶、ラサ、武漢と中継を結びながら祝祭感を伝えていく。そして番組が最も盛り上がるのが午前0時の年越しだ。上海市の中心部は、環境保護を理由に花火や爆竹の使用が禁止されているものの、テレビから目を離すと市郊外から花火が打ち上がるのが見える。中国駐在員にとっては、元旦以上に新年の訪れを感じる瞬間だ。
 2024 年12 月、春節は「家族の価値や社会の結束を高め、中国の人々にアイデンティティーの感覚を与える」と評価され「ユネスコ無形文化遺産」に登録された。旅行組、帰郷組、居残組と形は違えども、現地は、家族と新年を迎えようとする「祝祭感」に包まれている。

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