6月8日(月)から12日(金)にかけ、第一回中東欧博覧会が浙江省寧波市の国際展示センターにて開催された。この博覧会は中国商務部と浙江省政府が共同主催し、商務部関連機関、寧波市政府及び浙江省商務庁が事業実施したものである。
同博覧会の主要テーマは”近隣諸国との協力を拡大し、新たなシルクロードを建設する”であり、投資協議、貿易促進のための展覧会等が含まれている。展覧会ではブルガリア、チェコなどの中東欧16か国の食品や日用日3,000品目以上が陳列された。中東欧諸国から輸入される代表的な商品としてワインが挙げられるが、国際展示センターの運営会社はセンター内の保税区輸入商品取扱業者を利用することで、中間業者を省略し低価格で消費者に提供することが可能になり、フランス産ワインに対しても十分な競争力を持ち、消費者から歓迎されているとしている。
寧波市は展覧会を通じて同市を中東欧諸国からの輸入商品の集積地とすることを目指しており、中東欧産商品用の通関体制や輸入された商品の管理、販売体制の確立や中東欧諸国の企業に対しては、売買契約に対して有利な条件での保険を提供するなどの優遇策を準備している。
中国税関が6月8日に発表した5月の貿易額は3,220億1,518万米ドルで前年同月比9.3%減、3ヶ月連続のマイナスとなった。輸出額は前年同月比2.5%減の1,907億5,159万米ドル、輸入は同17.6%減の1,312億6,358万米ドルであった。1~5月の貿易額は1兆5,444億7,563万米ドルで前年同期比8.0%のマイナスである(貿易収支は2,172億5,816万米ドルの黒字)。輸入の減少が続いており、浙江省の対中東欧諸国への貿易額も今年1~4月は前年同月を下回っている。このような状況ではあるが、中国政府や浙江省関係者は今後の中国経済発展において中東欧諸国との貿易拡大、中国企業の現地進出等の経済交流促進は必須であると考えており、寧波港、舟山港を中心とした経済圏を確立し、21世紀の海のシルクロードを創造しようとしている。