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「今」だからこそ伝わる静岡県の熱意~中国旅行社ファムトリップを開催~

 1月9日~14 日、上海事務所は中国の旅行社16 社を静岡県に招へいし、商品造成を目的とした視察ツアー(ファムトリップ)を行った。5泊6日の行程は、スズキ歴史館など浜松市内からスタート。掛川花鳥園、 駿府匠宿、駿河湾フェリー、伊豆シャボテン公園、MOA美術館など県内を横断しながら県内の人気観光スポットを訪れたほか、静岡市内のホテルでの県内事業者16 社との商談会も開催し、80 名以上の参加者・関係者が集う会場は、大変な熱気に包まれた。

 参加した各旅行社によると、11 月からの急速な日中関係の悪化に伴い、日本への団体旅行は顕著に落ち込んでいるものの、6~8名程度の小規模グループ旅行は富裕層を中心に底堅い販売が続いているという。
 一方、主力商品が団体旅行である旅行社の中には、減収のダメージを補おうと常連の顧客から要望を募り、日本に買い出しに行く代购(代理購入)で糊口を凌ぐ会社もあるようだ。

 現在の円安に振れた為替レートでは、日本で欧米ブランドのバックやダウンジャケットを30万円で購入し、中国に持ち帰れば5~10 万円の差益が出ると言い、哺乳瓶や粉ミルクなどの赤ちゃん用品、肝機能に効果のある健康保険食品などをまとめ買いして収益を補っている。

 現在のような政治的な要因で中国からの旅行者が減少する時期にファムトリップを実施することには、効果を疑問視する声があったのも事実だ。それでも、三島市内のホテルでは4団体の送客に向けた商談が進んでいるほか、熱海市内の美術館では年度内の送客に向けた商談が開始されるなど、即効性のある効果も現れている。
 また、中国の各旅行社からは静岡県のファムトリップ開催に感謝の声が寄せられたが、特に印象的だったのが、「今」ファムトリップを行ったことに対する評価の声だ。

<旅行社コメント(一部抜粋)>
日中関係の悪化で日本ツアーの売上を伸ばせない中、各社の日本担当は苦しい状況を耐えながら関係改善を待ちわびている。他方、日本ではオーバーツーリズムの問題も生じており、中国からの旅行者が歓迎されていないとさえ感じることもある。
 こうした中国の旅行社が本当に苦しい「今」、静岡県はいち早く自治体・県内企業が一体となって中国の旅行者を迎えようする熱意に深く感動した。中国では患難見真情(苦しい時に真の感情が見える≒苦しい時の友こそ真の友)という。我々はこの恩を決して忘れず、静岡県への送客によって恩を返したい。    

 日本のメディア報道のみで判断すれば二の足を踏むこの時期のファムトリップ開催。現地の空気感が読めるからこそ打てる一手は、海外事務所が果たす大きな役割と言えるだろう。

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