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「GDP6.9%増」の衝撃

中国国家統計局は、1月19日、2015年のGDP(実質国内総生産)速報値等の各種の数値を発表した。

世界が注目したGDP成長率が、25年ぶりに7%を割り込む6.9%であったため、日本のマスコミは中国経済の減速を大々的に報道したが、中国政府は、政府の通年目標である「7%前後」はほぼ達成し、想定範囲内の減速であったことを強調していた。

上海在住15年の元新聞記者は、「6.9%増という数値は、不安を抱えつつも中国経済が正常な範囲内で運営されたことを意味し、6%台成長を過度に悲観視する報道もあるが、GDPの数値そのものは4兆元(約71兆円)、日本のGDPの1割強をたった1年間で積み増していることにも目を向けるべき」、つまり「伸び率」の鈍化だけでなく、「増加量」にも注目すべきだとしている。

「25年ぶりの低水準」と伝えられているが、1990年当時にはGDPの規模が1兆9,000億元であるのに対し、15年は増加額が前年比4兆元超であること、中国のGDPが日本のそれを上回ったのは2010年だが、15年のGDPは既に日本のGDP(推計約500兆円)の2倍以上となっていることなどから見ても、伸び率の僅かな鈍化に過度に悲観的になる必要は無いのではないかとの指摘にもうなずけるところがある。

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