訪日中国人旅行者数が増加を続ける一方で、依然として東京~大阪・京都を周遊するゴールデンルートでの観光・滞在が主流であり、ゴールデンルート以外の地域では中国人旅行者増加による経済波及効果も実感しにくいとの報道も多いが、中国人旅行者を自分たちの地域に呼び込もうという取組みも見られるようになってきている。
伊豆急行及び東急ホテル(河津、下田)を所有する東急グループは上海に現地法人を設置している。2012年に法人を設置した当初は中国から日本へのアウトバウンド事業、中国への日本人旅行者をターゲットとしたインバウント事業双方を進めていく計画であったが、現在はアウトバウンド事業に傾注している。今回、旅行需要喚起の一環として11月7日(土)に上海市内で「東急女子会」を開催し、上海事務所も協力をした。「東急女子会」の名称通り、20代~30代の女性を対象としており、会場も瀟洒な喫茶店を貸し切り、若い女性の嗜好に合わせた飾り付けを施した。入場者数は100人であったが、事前に募集したところ、直ぐに200人ほどの応募があったそうである。当日は日本旅行に関連した最新情報や東急グループの関連施設の紹介等が実施されたが、上海事務所からは静岡県の紹介、伊豆半島および東伊豆地域のPRを行ったほか、「ふじっぴー」を準備し、参加者との記念撮影をしたところ、大変好評であった。
また、三島市商工会議所が29日(土)に市内にて観光プロモーションを実施した。三島市は昨年放映され中国でも日本好きな女性を中心に多くのファンがいるテレビドラマ「ごめんね青春」のロケ地であり、市商工会議所、旅行会社はドラマの撮影場所を紹介したビデオを会場で放映したが、参加者は大変熱心にビデオを見ていた。参加者のうちの数名は、12月に訪日旅行をし、三島にも行く予定であるとのことであった。
このような活動は訪日中国人旅行者の静岡県への誘致に大きな効果が期待できる上に事務所と企業等との連携も強化できるものである。今後もこれらのイベント開催情報を収集しながら積極的に協力していこうと考えている。