7月23日(木)に紹興市内にて日本投資貿易説明会が開催された。当説明会は紹興市商務局が主催し、市内の製造業者、輸出商社、旅行社等を対象に日本への進出、投資を検討してもらうべく日本の状況を説明したものである。上海事務所ではJETRO上海事務所、京都府上海事務所とともに参加し、静岡県の地理的優位性や外国企業が静岡県に進出する場合に適用される各種支援策を説明した。
当説明会に先立ち、紹興市商務局は7月9日(木)に上海市内にて紹興市内の経済開発区への日本企業進出促進のために日系企業懇談会を開催しており、上海事務所も懇談会に参加したことから23日の説明会にも参加することになったのだが、今後もこのような機会を活用できればと考える。
中国への日本及び県内からの企業進出については、平均賃金上昇に伴う人件費の高騰や労働問題の顕在化、日中関係等の要因からこの数年間は停滞しており、企業の海外進出はベトナムなどアジアの他国にシフトしているという見方が一般的であるが、ベトナム、ミャンマーなどは実際に進出を検討すると多くの困難があり、うまくいかないということも企業担当者からよく聞く。インフラ整備や従業員のレベルといった面では未だ中国に及ばず、結局進出を断念するケースもあるとのことである。また、進出を検討する日本企業についても、中国への進出が減少しているのは事実だがそれは全体的な傾向であり、新市場開拓等の理由から中国進出を真剣に検討している企業が無くなっているわけではないという話も聞いている。今回、日本企業の中国進出誘致、中国企業による日本への投資促進PRという二つのイベントに参加したが、上海事務所としては、どちらについても積極的に対応していきたいと思う。中国への進出を検討している県内企業については関係課と情報交換し、機会があれば企業を訪問し、担当者と面談すると言ったことも考えていきたい。
紹興市は対日交流に大変積極的であり、9日の日系企業懇談会には兪志宏市長、23日の日本投資貿易説明会には徐明光副市長がそれぞれ出席した。市関係者に話を聞いたところ、兪市長は日本好きで、日本には何回も出張しており、対日交流に注力しているとのことである。紹興市は富士宮市とも交流をしており、今回市商務局とも関係ができたことから、経済を中心に今後の交流を進めていきたい。