事務所だより

駐在員トピックス

香港最大級の観光展に出展~旺盛な訪日需要を支える現地の物価上昇~

 9月25~27 日、県中国事務所は、香港最大級の観光展示会「香港ホリデー&トラベルエキスポ」に出展し、本県の観光プロモーションを行った。
 同展示会は2024 年に始まった新しいイベントながら、今回は3日間の開催期間に25 万人が来場。現地では、特別価格で旅行商品を購入できるなど「誰よりも先にお得な情報を手にしたい」と考える香港ローカルの心をつかみ、今や香港のみならず、高速鉄道で約30 分の深圳市(広東省)からも来場者が訪れる人気イベントだ。
 本県は、「Shizuoka Prefecture and Selected Hotels(静岡県&厳選ホテル)」をテーマに、県内約20 の宿泊・観光施設からパンフレットの提供を受けてセールスを実施。また、本イベントにあわせて東急ホテルグループ・EGLツアーズ(香港大手旅行社)と共同でFIT(個人旅行)向け新商品を発売し、3日間で約70 万円を売り上げた。
 香港の旅行者は、リピーターが多いのが特徴だ。本県ブースを訪れる方の多くが東京・大阪・京都・北海道等への訪問経験があり、更なる日本深度旅游(日本をより深く旅する)を目的として、静岡県の地図や各ホテルのパンフレットを熱心に読み込むなど、まだ見ぬ旅先を探して日本関係ブースを巡っていた。

<現地の物価上昇と日系企業の対応>
 香港の訪日需要は驚くほど高い。その需要を底支えするのが「円安」と「物価上昇」だ。日本に住みながらも為替レートは感覚的に理解できるが、物価上昇はイメージを掴みにくいことから、その実例を紹介したい。(1香港ドル=20 円で計算)
 現地のセブンイレブンでは、ミネラルウォーター500ml が260 円、コカ・コーラ500ml が300 円で販売されている。外食は更に人件費・サービス料が加算されるため、日本式の豚骨ラーメンが2,000 円、インド料理は鶏肉カレー3,000 円に白米900 円を追加して、やっと食事にありつける。
 現地の人々はどうやって暮らしているのかと求人を見れば納得。中級レストランの求人看板では、待慶生(ウェイター)・洗碗清潔員(皿洗い)は月給32~40 万円、厨房工(調理人)は36~48 万円でスタッフを募集している。
 イベント期間中、コスパが良いと20~30 代の若者で賑わう火鍋店に4名で訪れ、ビールを2~3本飲んで会計すると35,000円だった。イベント来場者に物価について話を聞くと、「香港の高級日本料理店に行く代わりに日本の高級店で食事をすれば、差額で航空券(香港-日本)が買える」と笑っていた。
 物価上昇は、観光インバウンドには追い風だが、現地法人を構える日系企業にとっては、固定コストの重しとなり経営上の大きな課題である。収支悪化を懸念して駐在員手当額を据え置く企業、社員の健康・安全が最優先と物価連動制を採用する企業など、その社風や業績が各社の対応に顕著に現れており、現地では、駐在員同士の挨拶代わりの話題となっている。

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