4月16~18 日、静岡県議会浙江省友好交流団 (団長・落合愼悟議長ほか14 名)が、浙江省を訪問した。現地では、浙江省の議会にあたる人民代表大会の関係者等と友好を深めるとともに、現地の特色ある企業の視察を通じて、中国の最新ビジネスに触れた。
浙江省に到着後、多くの参加者が気づいたのは市中に日本車が少ないことだ。中国現地の報道によれば、5年前に20%を超えていた日本車の販売シェアは2024 年には12%を下回っており、この最大の理由は中国メーカーの電気自動車(EV)の台頭だ。交流団は、浙江省のEVメーカー『Leapmotor(零跑汽車)』を訪れ、「参入障壁が低いEV市場を勝ち抜くため、スポーツカーなどの看板商品をあえて作らず、大衆車のデザインや価格競争力に資源を集中させる」ことで他社に先駆けて黒字化を果たした同社の戦略を学んだ。
また現在、中国で注目される「低空経済」の事例として、ヘリコプターでの定時輸送(低空バス)サービスを提供する「杭州高値通用航空」を訪れ、今年の秋以降から中国では「空飛ぶ車(1人乗りドローン)」の販売が始まるとの説明を受けた。参加者からは「新たなサービスを次々と市場に投入し、軌道修正しながら品質を向上させていく中国企業のスピード感は圧倒的」との声もあり、中国経済の理解を深める良い機会となったようだ。
浙江省人民代表大会の呉晶副主任からは、「静岡県は歴史的にも交流実績でも最も大切な交流先の1つ」として交流継続を重視する姿勢が示された。百聞は一見に如かず、ぜひ県内の多くの皆様にも浙江省へ足を運んで頂き、中国経済のスピード感を肌で感じて欲しい。