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中国経済はどうなる? 全国人民代表大会で新5か年計画(2026~2030)を発表

 3月5~12 日に北京市で全国人民代表大会(全人代)が開催された。全人代は、指導者(国家首席等)の選出、重要法案の制定、政府予算案の決定等を行う意思決定機関だが、中国は憲法序章で「国家は中国共産党の指導を仰ぐ」と明記され、実質的に共産党の方針が発表・承認される場で日本(国会)とは大きく位置付けが異なる。今年は5年ぶりの中期計画(新5か年計画:2026~2030 年)が発表されたことから、経済分野のトピックを紹介したい。
 まずは、今回の新5か年計画で強調された言葉が「新質生産力(新たな質の生産力)」だ。これまで新産業・次世代産業を成長のエンジンと強調してきたが、足元の経済情勢を踏まえ従来型産業の強化に立ち返り、製造業など既存産業の技術開発、中小企業のAI化(クラウド・ビッグデータ活用)等を通じて、国内企業全体の競争力の底上げに重点を置いている。
 また新産業分野では、集積回路やバイオ医薬等における「基礎技術」を重視するほか、次世代産業分野では、次世代エネルギー、量子通信、ロボット、ブレイン・マシン・インターフェース(脳と機械を接続する技術)等の育成に注力するとの方向性を示した。
 共産党総書記の習近平氏は、2027 年秋の共産党大会で4期目を迎える可能性が高く、今年から始まる新5か年計画の実現を通じて、再任にふさわしい成果・実績を積み上げていくと見られる。一方、2026 年のGDP成長率(目標値)は4.5~5%と2025 年実績の5%を下回る見込みで、いかに成長率を維持・上昇させられるかに注目が集まっている。

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