事務所だより

駐在員トピックス

習近平総書記、国民党の鄭麗文主席と会談

 台湾・国民党(中国国民党)の鄭麗文(てい・れいぶん)主席(党首)が4月10 日、北京の人民大会堂で中国共産党の習近平総書記と会談した。
 中国国営放送の「中央広播電視総台」など主要メディアは本件について、「中国共産党の習近平総書記が、鄭麗文主席が率いる中国国民党の訪問団と重要な対話を行った。」と報じた。習近平氏は会談で「両岸の同胞は皆、台湾海峡の平和と安定、両岸関係の改善と発展を願っている」とし、「中華民族全体の利益のため、心の絆を深めて中華民族の偉大なる復興を実現しよう」と呼びかけ、中国大陸では総じて好意的な動きとして受け止められている。
 習近平氏は、2025 年10 月に国民党主席に鄭麗文氏が当選すると祝電を送るなど、良好な関係づくりを進めている。今回の訪問も、鄭麗文氏は習近平氏の招待に呼応して上海・南京・北京を歴訪。南京では「日本の帝国主義によって両岸の関係が悪化した」との発言や、1992年に両岸が「1つの中国」の概念に合意したとされる「92 コンセンサスを堅持して両岸関係の平和的発展に重要な役割を果たしていく」との発言など、中国大陸との結びつきを強めようとの意向が感じられ、今回の訪問では経済優遇措置という実利を持ち帰った。
 日本から両岸関係を見ると、「台湾民進党」と「中国共産党」の舌戦がクローズアップされ「一触即発の状態」と感じるかもしれない。しかし現地では、地縁や血縁などの様々な背景を持つキーパーソンが意思疎通のチャネルを持ち、バランスを取っている。台湾では決して好感度の高くない鄭麗文氏だが、中国大陸の視点から見ると、両岸関係の緊張を和らげる緩衝材として、一定の役割を担っているとも言える。

Page top