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上海市内の2区が合併

中国(大陸)の行政区画は、省級行政区として、省、自治区、直轄市が31ある。上海市は、北京、天津、重慶と並ぶ4つの直轄市のうちの1つであり、2015年9月末日現在、16の区と1つの県に区分されている。

9月8日付の地元紙などによると、上海市当局は7日、中国版ツイッター「微博」で、市内の区の内、静安区と閘北(ジャーベイ)区の合併を計画中だと明らかにした。

静安区は市内中心地に位置している。静安寺という古刹が名称の由来で、有名な日系のデパートがあり、上海に住む日本人には馴染み深い場所である。上海市の中心地は、現代上海のシンボルとも言える東方明珠タワーや上海環球中心などの高層建築物がそびえる地区と、黄浦江という川を隔て、租界時代に建てられた欧風建築物が並ぶ観光地が外灘(バンド)と呼ばれる地域から西に広がっており、16の区のうち、半分の8つの区がこのあたりに集中している。中心地の8つの区を合せても面積的には上海市全体の10分の1にも満たない。面積が小さくて人口密度が高い区が都市部に集中しているのである。中でも、静安区は面積が7.6k㎡で最も小さく、常住人口は25万人。これに対し、閘北区は、静安区の北に位置し、面積は29.2k㎡、常住人口は85万人である。

合併の情報が流れるとすぐ、閘北区の一部不動産オーナーが物件価格を引き上げた。相対的に不動産価格が高い静安区との合併で、所有物件の価格が上がると判断したためだ。

また、両区の学校への入学に関する論議も活発になっているとのことである。人口25万人の静安区に名門校が4校。これに対し、人口85万人の閘北区には名門校が8校ある。合併すると、旧静安区にとっては、名門校の数は増えるが、競争率が大幅に上がる。

このように、2区の住民は、切実な問題に直面し悲喜こもごものようだ。

なお、牧之原市は、閘北区との間で平成22年から活発な交流活動を展開している。合併については、まだ不明な点も多い。今後の両市区の交流活動の行方も見据え、事務所としても情報収集、提供に努めていきたい。

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